テントについて

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野宿となると、まずはテントだ。
世間には、テントを使わずシュラフだけで寝てしまう強者もいるようだが、夜露をしのぐためや夏の蚊帳がわりにあった方がいい。

テントを選ぶにあたって、出した条件
• 単車で運ぶので、重さには特にこだわらない。
• 広い前室のある2〜3人用のテント。1人用じゃ狭すぎて荷物が置けない。前室がなければ雨が降ったら飯の用意が出来ない
• 雨の中での設営と撤収を考えて、インナーがつり下げ式であること。
• ペグを打てないような場所でも、自立すること。
• 前後に出入り口があり、メッシュにできること。

選んだのは、ユニフレームのSora Tour。
最初は色がなぁ〜と思ったが、使ってみると天気のいい日は気持ちよく目に映る。
もう少し広ければなぁ…とも思うが、きっと使っている者が大きすぎるのだろう。
グランドシートとポールとフライシートだけで自立するため、東屋の下などペグが打てないところでも設営できるのは大きな利点。

特に大きな欠点はないが、
• 前室は寸法的には大きいが、三角形のため、それほど大きいわけでもない。
• とはいえ充分といえば充分な広さ。私の場合、前室で料理だけでなくガソリンストーブのプレヒートまでやるが、今のところ火事は起きていない。最小限の炎でプレヒートできるよう、練習済みなのは言うまでもないが。
• フライの前後にベンチレーションがあるが、畳んだ時のくせがついてしまい、役に立ってない時がある。煙草の空き箱を挟んで、無理矢理開けるようにしている。
• 付属のペグはアルミ製。軽いのはいいが、整地されたキャンプ場でしか役に立たない。スノーピークのソリッドステイクに買い替えた。
• 出入り口がもう少し大きければいいな。きっと使っている者が…(以下略)。
• きちんとペグダウンすれば、フライとインナーの隙間も充分で、今の季節、フライの内側は結露で凍り付いているが、インナーの内側が結露で水浸しということにはならない。

ひょっとしたら、テント選びの果てにこのブログにたどり着いた方がいるかも知れないので、条件に挙げた”つり下げ式”について。
だいたいのテントは、インナーのスリーブにポールを通していくのだが、つり下げ式の場合はインナーをフックでポールにひっかけるだけ。
これにどのような利点があるかというと、設営時にポールを先に組み立て、フライシートをかけてからインナーを取り付けることが出来るため、雨天時にインナーを濡らさずに設営できるのだ。撤収時はその逆で、フライシートの下でインナーを濡らさずに収納できるという利点がある。

ついでのついでにテントの防水について。
テントを使ったことがない人は、とにかく防水というように思いがちであるが、実際はそれほど単純な話ではない。
グランドシートやテントの底部には高い防水能力が必要だが、とくに寒い時期には結露という現状が起きる。
冬の窓ガラスの内側にびっしりと結露するのと原理は同じだ。
想像して欲しい、インナーの内側にびっしりと結露したところを。もうそんなところで一夜を過ごすことは出来ない。シュラフも濡れてしまうだろう。
山岳用などを除くテントがインナーとフライシートの2重構造になっているのは、インナーの内側で結露を起こさせないためだ。
どれだけ風通しを良くしても結露は防げないのだから、結露はフライシートの内側で”起こさせる”。
そのためには、インナーが完全防水では困るのだ。透湿性がなければインナー内で結露が起きてしまう。
高い防水能力のフライシートと、高い透湿性のインナー。そして、きちんとペグダウンをしてフライとインナーの間に隙間をつくり風を通してやる。
いまのところ、結露を防ぐにはこれしかないと思っている。
これだけやっても、冬の朝にはフライの内側で結露が凍り付き、前室で湯を沸かしたりすると融けた氷が降ってきて、雑巾片手にコーヒーを呑むハメになったりするのだが…。

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